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パリの市民コンセルバトワールの話 その3

さて、一年目にソルフェージュを楽器なしで始めた娘です。
クラベルという拍子木のようなものとテキストや楽典のメトードだけ買わされ、譜読み、リズムのレッスンなどは授業で受けているようでした。

私の中で、それだけで一年間本当に大丈夫なのかと、ちょっとした疑問と不安がよぎり、前に働いていた職場の先輩が、個人的にピアノを教えていらっしゃることを思い出し、毎回ではないのですが、自宅に来て頂いて、出来る時にだけ、レッスンをして頂くことになりました。

それは、実は、ハープの楽譜はピアノと一緒で、ピアノの楽譜が読めると、娘がやりたいと思っていたハープの助けにもなるかなと心の中で思っていたからです。

その、気まぐれに、そしてわがままにお願いしていたピアノレッスンの御陰もあり、ソルフェージュでグングン成績を伸ばした娘は、二年目から三年目に進級する時に、一年先のクラスへ飛び級をすることになります。

たまたま教わった先生のメソッドが大変良かったこともありますが、御陰さまで、去年、第一期課程終了試験に、口述•筆記の合計点をトップで合格し、無事に第二期課程に進級することが出来たことは、本当に有り難いことでした。
でもその後、地方音楽院に入学することになるのが決まり、もうこの先生にソルフェージュを教えて頂けないことを知って、娘は悲しい想いをすることになったのですが。

合唱に関しては、3年間、毎年違う先生のクラスに入っていました。
各先生によって、全くやり方が違うので、それもまた面白かったのですが、どうも娘が通うコンセルバトワールには、そして娘が当たった先生の中には、あまりいい合唱の先生がいないかなあと思っていたのも事実です。
で、その頃から、娘に他で合唱をやらせてみたい、他の合唱団に入れてみようかとも考えてはいたのですが、実際、そういう場所で、ピアノの伴奏などをやっていた方から、まだ小さいうちから合唱団に入ると、かなり声帯を酷使しているのを見て来ているので、それでもいいならだけど、と、あまりお薦めはできないと言われてしまいました。

そして、ハープを始めて一年目の夏休みに、先生のお薦めで、ハープの音楽研修合宿に参加した娘は、その合宿で色々見て頂くことができ、他の区のコンセルバトワールで合唱の特別クラスを受け持つ声楽とソルフェージュ担当の先生自ら、自分の合唱クラスに入りませんか、と声をかけて頂くことになります。でも、実際は残念なことに地理的、時間的に無理なことでした。

そして、ハープも始めて2年目となると、コンクール参加の数も増えてきて、アンサンブルの合同レッスンで、音楽劇などもすることになり、益々練習量もレッスン時間も増えて来ました。
フランスのハープの世界では知られている、二人の偉い先生による公開マスタークラスも受けさせて頂くことになったのもこの頃です。
二回とも、コンクールの課題曲を弾かせて頂いたのですが、知らない人の前で公開レッスンを受けることは、娘には本当に良い経験になったようです。






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