スキップしてメイン コンテンツに移動

パリの市民コンセルバトワールの話 その4

娘が通う区のコンセルバトワールには、同じ区内の、ある図書館と小児科専門病院で、子供達などが音楽に触れ合えるプロジェクトとして、ミニメートル(小さな先生)というものを毎月のように開催しています。

実は、娘がハープを楽器として選択する最終決定の掛け札になったのは、当時10歳だった、今となっては一緒にアンサンブルもしている、中学生のお姉さんがやっていたこのミニメートルを見て、もっと興味を持った、ということもありました。

ハープと言う楽器の存在は知ってはいましたが、実際どんなものなのかは、全く未知の世界だった私達です。

1年目はレバーハープと呼ばれるアイリッシュハープを使っていた娘も、2年目は早くもペダルハープになり、どんどん楽曲の幅が増えて来ました。

そんな時、ここ3年、ハープはその後一度もミニメートルに参加していなかったという事実を知り、今年の始めに、娘も参加させて頂くことになります。

始めに校長先生などの挨拶があった後、約20分間、娘一人で、知らない子供達や大人達の前で、ハープを実際に弾いたり、楽器自体の説明をするのが、そのミニメートルです。
ハープの先生と一緒に楽曲を選び、楽器をどうわかりやすく、どの言葉で説明するか、どういう風に進行するか、など色々アイデアを出し合いながら、このプロジェクトを進めて行きました。
コンセルバトワールからは、演劇を学んでいる学生さん達がわざわざ出向いてくれて、喋り方などの指導をしてもらう授業も一度してもらえました。

実際に、自分と同じくらいの年かもう少し小さい子供達と一緒に、かなり近い距離で触れ合いながら、ハープの演奏をして、説明などをしたこの経験は、娘にとっても、私達親にとっても忘れ難い、かけがいのないものとなりました。
この時期くらいから、まだ小さいから本当にこれからの事はわからないけれども、もしかしたら、将来的に、娘本人がちゃんと希望するのであれば、音楽の道に進む可能性もあるのではないか、と言う話が先生の方から出るようになりました。

娘自身も私達親もそうですが、音楽は大好きで、ずっと続けてはいきたいけれど、意外にもシビアなもので、将来的にプロの音楽家になりたいとかそういうのはまだ、、、という感じでいるのが現状です。
先生曰くは、中学になると、コンセルバトワールなどを今まで通り続けて行くのが、段々他の子を見て感じていて、本当に大変になってくるから、今後の事はなるべく早めに考えた方がいいわよ、とのアドバイスを受けたのが今年の1月の中旬でした。
そして、地方音楽院の特別時間割コースの受験を薦められたのもこの時期でした。
とにかく入るのが難しいから、早めに準備して、取り組んだ方がいいともありました。

界隈の公立中学の評判はそんなに悪いものでもなく、かりにこのまま進学したとしても、近所の知っているお友達がいた方がいいし、行き帰りも近い方が何かと便利なのに、、、くらいに思っていたことは事実です。

ただ、娘がハープでは受験したくない、今の自分の先生はまだ変わりたくないとなったので、他に音楽では大好きな歌での受験になりました。

それからは音楽受験の話になります。




コメント

このブログの人気の投稿

パリの市民コンセルバトワールの話 その1

どれくらい、皆さんが興味があるのかはわかりませんが、フランス、特にパリ市のコンセルバトワール教育(音楽院)の話をちょっとしたいと思います。 まずパリ市は20に及ぶ区に分けられていて、1、2、3、4区はソントル(中央)と呼ばれる1つの合同コンセルバトワールとなっているので、区のコンセルバトワールは市内で合計17カ所にあります。 パリ市民なら、受け入れ枠の中でさえあれば、どこの場所でもコンセルバトワールに所属できるのですが(例えば、15区在住でも7区のコンセルバトワールの方が家から近くて、そこで受け入れ枠があれば入る事が可能です。そして、各コンセルバトワールによって、有名な先生とか、自分がつきたい先生が了解してくれた場合には、市内の別のコンセルバトワールに所属していたとしても、そちらで授業が受けられることもあります。)、ただ、市民の需要に大して供給枠はとても少ないので、席確保のための倍率はかなりのものです。 以前はかなり長い期間、登録日開始当日に、夜中くらいから並んで席確保をする親御さんがいて、それが多々問題になり、私達の娘の時は朝の8時から電話受付でした。そして、それも問題になり、その後はインターネットで登録後、くじをして当選した人が晴れてコンセルバトワールに入れることになりました。 区のコンセルバトワールは、エヴェイユと呼ばれるイニシエーションコースから始まるのですが、そこから席の確保ができなくても、毎年募集があるので、応募は必ずできます。 既に、個人で楽器などを習っている子供達は、オーディションを受けて合格し、枠さえあれば入ることもできます。 ただ、授業でまず、楽典を一年取ってから初めて楽器選択ができるのが公けにされている規律なので、そこで、楽典と合唱クラスを選択してから一年後初めて楽器にありつけます。それが、こちらでいう、CE2のクラス、8歳になったときです。 楽器選択に関しても、まず合同アトリエで、色々な楽器の存在を知った後に、希望により最低3つの楽器の小人数制のアトリエを取って、実際に希望する楽器に触ってみたり、担当の先生とお話ができたりとした後、その年に空いた席の枠と、楽典のテストの成績や出席日数などが関係しているのでしょうか、三つまでの希望を出してから、事務局が受け入れの受諾をするまで、実はどの楽器が出来るようになるのかわか...

パリ地方音楽院の特別時間割コースの話

娘がパリ市民音楽院とパリ地方音楽院を股にかけて生活するようになって、今度は地方音楽院ではどういう毎日を過ごしているのか、お話したいと思います。 9月は通常通り、小学校が始まりました。 ただ、カレンダーの日にちにより、週中の木曜からの始まりで、音楽院の授業はこの週はなし。 最初で最後の二日間だけ、お昼の後も一日中、小学校の授業がありました。 そして、次週から午後には音楽院の授業が開始され、朝は学校の授業、午後は音楽院のレッスンという生活に入ります。 今年のクラスは、小4、5(CM1,CM2)年生の混合クラス、国営フランス放送合唱団組が9人、CRRの声楽•合唱組が10人、そしてバレエ組が5人の計24人のクラスで開始しました。全体的に男子は少なく、主に女子の人数が多いです。 さて、一日の時間割は、こんな感じです。 朝8時20分に登校。今までは、20分に校門が開いて、校庭で担任の先生を待ち、8時半からの授業ですが、校門が開いたと同時に教室に入り、宿題などを手帳に記入します。 8時半きっかりに授業が始められるように配慮されているためです。 そして、10時から15分間の休み時間がありますが、遊ぶというより、トイレ休憩などで殆ど終わってしまうようです。 その後は、12時までみっちり授業があります。 そして、給食を食べ、音楽院行きの専用バスが付き添いの関係者とともに来るのを待ちます。 この制度は、まだ一人で移動をすることのあまりない小学4年、5年生の生徒達のためにあります。 バレエ、歌、楽器選択の生徒達が同じ1つのバスを使っていて、二つある提携小学校でそれぞれピックアップされ、音楽院やダンスのレッスン会場へと生徒達を運んでくれます。 と言う訳で、お昼の休み時間は、バスでの移動時間となり、校庭で友達と遊ぶことは全くなくなりました。 中学生になると、生徒が自分の力でメトロやバスなどを使い、音楽院まで直接移動することになります。 音楽院の授業開始時間は13時半からですが、バスの遅れや中学生達の移動の遅れもあるので、通常なら16時半に終わるところを、今年に限って、16時45分終了に、秋休み明けから変更がありました。 小学校と音楽院は、月、火、木、金のみの授業です。 月曜は、主にレベル別のソルフェージュの授業、そして合同合唱(Polip...

パリのおしゃれな丼もの屋さん "Yamaya"

こちらで仲良くなった日本人の御友達が、パリで、日本食のおしゃれな丼もののレストランを、晴れてオープンしたので、オープン日の今日、早速お邪魔して来ました〜! お店がオープンする前から、色々見せては頂いていて、どんな風になるのかなあと楽しみにしていたので、本当に待ちに待った今日という感じでした。 娘が注文した鳥つくね丼ぶり。 おしゃれな容器に野菜もたっぷり、お味噌汁も具沢山です。 私は、お魚の鯛丼ぶりを。 お野菜等の良い香りがして、風味豊かで味わい深い鯛丼ぶりを頂きました。 抹茶アイス最中をデザートに。 他にもほうじ茶ケーキ、抹茶ケーキなどがあります。 世界最古のデパートと言われる、ボン•マルシェから徒歩ですぐの場所にレストランはあります。 メトロの駅も13番線、12番線、39番及び70番のバスでも行けます。 場所は、パリ7区、バビロン通りの58番地です。